今日(4/30)の9時から、担当ケアマネジャーのKさんと面談を行いました。
来月5月も、週1回デイサービスを利用することを確認しました。
一点の曇りのない快晴です。
「こんにちは、良い天気になりましたね。
何をなさっているんですか?」
父が細長い紙を撚(よ)っています。
「こうして新聞を切って、細長い紙にして、新聞を縛るの。
こうして、お仕事をしているの。」
それからの父は饒舌にいろいろな話しを始めました。
「道路の向かいの土地、売れたんだって。
最新情報では、4軒家が建つそうなんです。
いままで、草が生えてきたら抜き取ってたんだけど。
家が建つんだったらもう(草取りを)やらないことにしようと思ってね。」
Kさんは立ち上がって、
「そこに4軒建つんですか!?」
それから、観光バスの運転手の補助で草津へ行った時の事を話し始めました。
「安い給料だったけど、湯畑(ゆばたけ)にも観光で行ってきた。」
それから、唐突に、20年前に左手の甲のけがをして入院した時の話になりました。
「臼(うす)を作っているときに手をけがして、○○医院に手を上に上げながら歩いて行ったんだけど、そこでは手に負えず、救急車で○○総合病院にいったんだ。
入院して、リハビリもまじめに通ったんだね。
そしたら、リハビリの待合室でテレビを見ていたら、福知山線の脱線事故が映っていてね。」
話が飛んで、鮫洲(さめず)で米屋を営んでいた父の妹の事。
「品川の妹は、米屋でね。俵が何俵もあってね。従業員が4,5人いた。」
Kさんは、話の展開についていくのが大変です。
都度、私が解説をして、ようやくついていくことができます。
「それから貿易の仕事。
これは給料はよかった。
税関の書類、これが英語なんだ。わかんなくてね。」
いきなり、父が20代のころの話に飛びます。
これは話が長くなりそうなので、
「話が長くなりそうだから、続きは次回いうことで、今日はこれくらいにしよう。」
と水入りにしまた。
すると、父が最後にKさんに聞きたいことがあると言います。
「Kさんは、今の仕事の面接をするとき、8人くらい応募があったの?」
「いいえ、たまたま、募集を見て応募したんですよ。私一人だったと思います。
もう20年くらい前の話になりますけど。」
「そうなの。やっぱり、Kさんは優秀なんだね。」
「いえいえ、面接は私一人だったから採用されたのかもしれません。」
どうも、父はKさんが狭き門を突破して今の職に就いているに違いないと、決めているようです。
父の話は、一見、脈絡がなさそうにみえますが、実は、父なりに脈絡があるです。
今回の話のテーマは「お仕事」です。
会社勤めのお仕事もありますが、新聞紙の切れ端で紐を作るのも、草取りをするのも、臼(うす)を作るのも、父にとっては「お仕事」なのです。
臼(うす)から、米と連想し、鮫洲(さめず)で米屋を営んでいた父の妹の話に飛んだのです。
父の頭の中の回路の配線は、不思議な配線になっているのです。
97歳ですが、回路のスイッチは、問題ないようです。
何せ、Kさんが話の展開についていけないくらいですから。