先日、ケアマネジャーのSさんから、父に手押し車(カート)の利用を勧める内容の電話がありました。
デイサービスの方が、デイサービス利用中に父の歩行機能などを観察をして、歩行時の安全性や行動のし易さなどを考慮して、手押し車の利用をしたほうがよいと判断したようです。
その報告がデイサービスの担当者からSさんにあり、それに基づいて、父に手押し車の利用を勧める電話が私にあったという訳です。
父を交えて、今日(3月20日)手押し車の利用についての打ち合わせを行いました。
Sさんから電話があったとき、頭の片隅に、「きっと、父は利用に反対するだろうな。」という思いがよぎりました。
打ち合わせまで日にちがあるから、それまでに手押し車利用について父に考えてもらえばよいか、と考えて打ち合わせを決めたのです。
打ち合わせのことを父に伝えると、案の定「利用しない」といいます。
私から「取り敢えず、試しとして利用することもできるから、打ち合わせをしよう。」と話しました。
明確な反対が父からなかったので、打ち合わせには承諾したものと、勝手に判断をしました。
しかし、私の考えは甘かったようです。
Sさんがカタログを出して説明を始めようとすると、
「私は、手押し車を利用しません。」といいます。
Sさんが、デイサービスで手押し車を利用していることや、デイサービスの方から利用を勧められていることを説明しても、頑なに拒みます。
「デイサービスの場所は段差がないけど、日常では段差があるので、使い物にならない。」
などと、反対理由を挙げていきます。
実は、父が反対する主な理由は、手押し車の利用が有料であることと、近所の方に手押し車を使っている姿を見られたくない、という2つではないかと私は思っています。
有料のものを押し売りされた、元気な自分は手押し車は必要ない、という理由です。
本人はそれに気がついていないのですが、長年父と付き合ってきた私には、父の根底にあるものが見えるのです。
私からも、カバンを片方の手で持って、もう片方の手で杖を持っての外出は、両手がふさがっているため転ぶと大けがをするので、安全に行動するためにも利用を勧めましたが、父は益々ヒートアップしていきます。
「利用を勧めるなら俺はデイサービスを止めます。」とまで言い出しました。
言葉使いも「私」から「俺」になり、声のトーンも大きくなっていきます。
父も「俺っていう言葉遣いは良くないな。」と言葉遣いをあらためようとしたりして、何とか自制しようとするのですが、抑えることが出来ません。
すぐに「俺」になってしまいます。
父の気持ちが高ぶってきたので、私からSさんに、改めて父と話し合うことを話し、父の気持ちが落ち着いたら、もう一度、手押し車の打ち合わせをしたいと申し出ました。
Sさんが帰った後、気持ちが少し落ち着いてきた父に、今回の打ち合わせの内容について事前の打ち合わせをしなかったことを詫びた上で、
「今は、カバンを持って、杖をついて外出できるけど、齢をとると段々できなくなってくることが増えてくることは、おじいちゃん(私が父を呼ぶときおじいちゃんといいます)も良く分かっていると思う。
また、両手がふさがった状態で転んだりしたら大けがをして、悪くすると寝たきりになるかもしれない。
1年後も、今のように好きなところへ行ける状態を保つためには、利用できるもの(手押し車)は利用した方が、自分自身のためにもなると思う。
ひ孫の結婚式まで長生きをすると言っていたでしょ。
110歳まで、元気に活動できるためにも、利用できるものは利用しようと考えてみたらどうだろう。
冷静になった時に、もう一度、利用した時にどのようなメリット、デメリットがあるのかを考えてみて。
日をあらためて、もう一度話し合おう。」
と話しました。
話しあっている内に、父も大分落ち着いてきました。
これから、何度か手押し車の利用について、話し合っていくことになります。
話は変わりますが、デイサービスには、これまで、2月29日、3月7日、3月14日の3回行きました。
利用者とも知り合いになり、デイサービスの担当者とも知り合いになってきました。
1日の流れも、体が覚えてきたようです。
3回目の利用の後に「どう、デイサービスは楽しい?」と聞いてみました。
「まあ、楽しいな。」との返事でした。
「週1回、会社へ行く、というつもりでデイサービスに行くのもいいかもしれないよ。」というと、父もそれに同意したような表情を見せました。
現役の時に仕事人間だった父は、お勤めする、という感覚が身に沁みついているのかもしれません。
何事も、楽しみながらすることが大事だと思います。
父なりに、楽しむための努力をしているのでしょう。
最後に、Sさんからの報告で、更新申請していた介護の認定結果(介護保険被保険者証)が区役所から4月1日発送され、4月2日頃に届くそうです。
届いたらケアマネジャーと、3月1日に遡って、1年間のケアプランを作成することになっています。