衆議院選挙の期日前投票に、父、私、妻の3人で区役所に行ってきました。
投票所に着くと、フロアの入り口で「最後尾」の看板は持った誘導員が立っています。
入り口から40mくらい先のフロアの一番奥が投票所の入り口です。
投票所の入り口までは、九十九折(つづらおり)にくねくね曲がって順路が設定されていて、順路は投票待ちの人達の長い列で埋め尽くされています。
フロアには要所要所に誘導員と区の職員が立っています。
順番待ちの人が誘導員に「何分ぐらい待ちますか?」と聞いている声が聞こえてきました。
「そうですね。50分位お待ちいただくと思います。」
こんなに待つのは父にとって酷(こく)な事だ、どうしたものかと思っていると、
見たところ70歳代くらいの誘導員(仮にAさんとしましょう)が駆け寄って来て、
「車いすがありますから、ご利用ください。いま、お持ちします。」と言ってくれました。
父は「特別扱いだな。」と言って、安堵したようです。
きっと、長蛇の列を見て、父もこれは大変だと思ったことでしょう。
「車いすを押しながら列に並んで待つのは大変ですから、投票所の入り口で車いすに座って待っていただき、あなた(私の事)が入り口についたら、一緒に中に入ってください。」
父は入り口で妻と待つことになりました。
私が列に並んでいると、遠くから父がAさんと話している声が聞こえてきました。
フロアは大変な人出のためにざわついていて、しかも、私から父までの距離は優に30mはあるのですが、父の声がとぎれとぎれですが聞こえてきます。
「エレベーターの側の※△◇?☆」
妻が「96歳になるんですよ。」とAさんに話すと
「えっ、96歳!お元気でびっくりしました。」と驚いていました。
肉体的な衰えは隠せませんが、頭の回転や記憶力、そして声の張りはまだまだ衰えていません。
「帰りは駐車場まで車いすで行ってください。車いすは、エレベーターの近くの空いている場所に置いておいてください。」
Aさんは、どても親切な誘導員です。
今日は、Aさんの機転の利く対応で、無事に期日前投票を終えることができました。
Aさん、ありがとうございました。